数字で見る赤ちゃんポスト
人工中絶数の推移
126,734人(2023年時点)
※前年度より3.3%増加

日本の人工妊娠中絶の件数は、年々低下しつつありますが、それでも2021年時点で、年間12万人を超えています。諸事情により、予期しない妊娠・計画しない妊娠をした女性は、妊娠の継続や子どもを産み育てることを前向きに捉えられないことがあります。
出典:厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例の概況」
18歳未満の人工妊娠中絶数
1日あたり7.4件
(2023年時点)

人工妊娠中絶数は18歳未満が2,705件となります(1日あたり7.4件)
出典:厚生労働省「母体保護関係」資料
人工妊娠中絶する理由
57.1%
(2016年時点)

人工妊娠中絶の理由では「経済的な余裕がない」「相手の不同意」が、約半数を占めています。それ以外にも、「仕事や学業を中断したくない」「育児していく自信がない」など、さまざまな事情から、赤ちゃんを産めない、産んでも育てていけないという状況が、今の日本社会に数多く見られます。
出典:北村邦夫氏「男女の生活と意識に関する調査」(2016年)
日本で最初の「赤ちゃんポスト」
2007年

遺棄されて命を落とす新生児の命を救いたいという思いから、熊本県熊本市にある慈恵病院が、2007年に日本で初めて、「こうのとりゆりかご(通称・赤ちゃんポスト)」を設置しました。
出典:熊本市
16年間で受け入れた赤ちゃん
170人

慈恵病院が2007年の取り組み開始以来、2022年までの16年間で170人の赤ちゃんを受け入れています。直近の2022年には、9人の赤ちゃんが受け入れられています。
赤ちゃんポストの利用状況
関東24・中部16

「こうのとりゆりかご」を利用した父母らの居住地は、慈恵病院のある熊本県を含む九州地方の38(熊本県は13)を除くと、最も多いのが関東24、次いで中部16となっています。新幹線や公共交通機関を乗り継いで、東北や関東・中部地方から、生後間もない赤ちゃんを抱いた母親が、熊本市まではるばるやってくるケースも少なくありません。母子ともに非常にハイリスクな状態で「通称・赤ちゃんポスト」を利用しているのです。
日本の「赤ちゃんポスト」の現状と課題
約3,000万円/年間

日本で最初の通称「赤ちゃんポスト」である「こうのとりゆりかご」の運営を始めた、慈恵病院では、年間に約3,000万円の運営費がかかっています。これらは全て、寄付で賄われています。
海外における「赤ちゃんポスト」の状況
90か所以上

ドイツでは、2000年に「ベビークラッペ」と呼ばれる、通称赤ちゃんポストが、ハンブルクに開設され、そこから90か所以上に広がりました。その後、2014年に内密出産制度が法制化され、妊娠葛藤法などの関係法令の改正とともに、内密出産の権利保護が強化されています。